ピルにはいくつかの種類がありますが、ここではよく使われる低用量ピルとアフターピルに関する安全性について説明します。
低用量ピルの安全性について
低用量ピルの安全性とは、低用量ピルを飲むことによって起こる副作用やリスクの程度や対処法を指します。低用量ピルは、正しく飲めばほぼ妊娠することはない高い避妊効果がありますが、副作用もあります。
軽度な副作用について
低用量ピルの副作用には、軽度なものと重度なものがあります。軽度な副作用には、吐き気や頭痛、乳房の張り、月経不順などがあります。これらは飲み始めの数か月で治まることが多いですが、続く場合は医師に相談してください。
重度な副作用について
重度な副作用には、血栓症や高血圧、心筋梗塞や脳卒中などがあります。これらは稀に起こる可能性がありますが、非常に危険です。血栓症の症状には、足のむくみや赤み、熱感、痛みなどがあります。高血圧の症状には、頭痛やめまい、動悸などがあります。心筋梗塞や脳卒中の症状には、胸痛や息切れ、片側の麻痺や言語障害などがあります。
これらの副作用が起こった場合は、すぐに医師に連絡してください。また、低用量ピルを飲む前には必ず医師に相談し、適切な検査や指導を受けることが重要です。
副作用に関する詳細はこちらでも説明しています。
目次 1 ピルの基礎知識2 ピルの副作用とは?発症のメカニズムと危険因子3 ピルの副作用はいつまで続く?:個人差やピルの…
アフターピルの安全性について
アフターピルとは、性交後に緊急的に飲むことで妊娠を防ぐことができる薬のことです。アフターピルには黄体ホルモンが含まれており、排卵を抑制したり、子宮内膜の増殖を防いだりすることで、受精卵の着床を妨げます。
アフターピルは、WHO(世界保健機関)もその安全性を保証しています。
アフターピルは、WHO(世界保健機関)もその安全性を保証しています。産婦人科医有志の会のアンケートでは66.6%が市販化に賛成という結果もあります。産婦人科医の総意ではなく、トップの人たちの意向なのかなーと思って見ています
引用元:https://www.asahi.com/articles/ASNCF3FXHNCCULBJ001.html
アフターピルの副作用について
ただし、アフターピルは最後の避妊手段であり、頻繁に飲むことはできません。アフターピルには副作用があり、吐き気や頭痛、月経不順などが起こることがあります。また、アフターピルは性感染症(STD)を予防することはできません。
アフターピルを飲んだ後は、通常よりも早く生理が来ることが多いです。生理が来た時点で避妊成功となりますが、万一生理が来ない場合は妊娠の可能性がありますので、医師に相談してください。
ピルの副作用が重症化しやすい人ってどういう人?
ピルの副作用の中で最も重大なものは血栓症です。血栓症とは、血液が固まって血管を詰まらせる病気で、心筋梗塞や脳卒中などの原因になります。
ピルを服用すると、血液が固まりやすくなるため、血栓症のリスクが2〜4倍になると言われています。 そのため、以下のような特徴を持つ人は、血栓症になりやすいと考えられます。
- 高血圧の人
- ヘビースモーカー
- 前兆を伴う片頭痛の人
- 高齢者
- 肥満者
- 長時間座ったり立ったりする人
ピルを服用する場合は、これらの特徴に当てはまるかどうかを医師に相談してください。また、ピルを服用し始めたら、3〜4ヶ月以内に血栓症が起こりやすいので、注意してください。
血栓症を予防するにはどうすればいいの?
ピルを飲んだあとの血栓症を予防するには、以下のような方法があります。
- ピルの服用開始から定期的に検診や血液検査などを受ける。医師の指示に従って、ピルの種類や量を調整することも必要です。
- 水分をしっかり摂取する。水分が不足すると、血液がドロドロになりやすくなります。特に長時間の移動や飛行機などでは、こまめに水分補給を心がけましょう。
- 適度な運動を心がける。運動不足や長時間の座りっぱなしや立ちっぱなしは、血流が滞りやすくなります。軽いストレッチや散歩などで、血液の循環を促しましょう。
- 着圧ソックスを使用する。着圧ソックスや包帯で脚を締めつけると、脚の静脈に血流が停滞するのを防ぐことができます。特に脚のむくみや痛みがある場合は、着圧ソックスを試してみましょう。
- 喫煙を控える。喫煙は血管を収縮させて血液の流れを悪くするだけでなく、血液中の酸素量も減らします。ピルと喫煙の併用は、血栓症のリスクを高めるので、できるだけ避けましょう。
ピル服用時の安全性を高めるにはどうすればいいの?
ピルを服用する際には、重症化せず副作用で苦しまないためには、以下のようなコツを守ることが大切です。
- 医師の指示に従って服用する。低用量ピルは、毎日決まった時間に飲む必要があります。飲み忘れや飲み遅れは、避妊効果や副作用に影響する可能性があります。また、自己判断でピルの種類や量を変えたり、中止したりしないでください。
- 定期的に検診や血液検査を受ける。低用量ピルを服用すると、血圧や血液の凝固度などが変化することがあります。そのため、服用開始から3ヶ月後、6ヶ月後、1年後などに検診や血液検査を受けて、体調や副作用の有無をチェックしてください。
- 副作用が起きたら早めに相談する。低用量ピルを服用すると、吐き気や頭痛、乳房の張りなどの軽い副作用が起こることがあります。これらは通常数ヶ月で治まりますが、続く場合や重くなる場合は医師に相談してください。また、脚のむくみや痛み、呼吸困難などの重い副作用が起こったらすぐに医療機関に行ってください。
オンラインで定期検診はできるの?
オンライン診療で定期健診はできません。
オンライン診療では、血液検査や超音波検査などの検査ができないため、定期健診は通院して行う必要があります。
オンライン診療でピルの処方を受ける場合でも、定期健診は欠かさないでください。 定期健診は、ピルの服用による副作用や体調の変化をチェックするために重要です。
定期健診の頻度は、医師の指示に従ってください。一般的には、ピルの服用開始から3ヶ月後、6ヶ月後、1年後などに行うことが推奨されます。
ピルって安全性や副作用・重症リスクについてまとめ
ピルの安全性や副作用・重症リスクについて、以下にまとめます。
- ピルには副作用もあります。特に、血栓症や心血管疾患などの重大な副作用が起こる可能性があります。
- ピルによる血栓症の発生率は、1万人中約1人と言われています。基本的には問題なく服用できる人が多いです。
- 血栓症の予防法としては、適度な運動や水分補給、食習慣の調整などが効果的です。また、喫煙や肥満などの危険因子を減らすことも重要です。
- ピルの安全性を高めるためには、医師の指示に従って服用すること、定期的に検診や血液検査を受けること、副作用が起きたら早めに相談することが大切です。
- オンライン診療でピルの処方を受ける場合でも、定期健診は通院して行う必要があります。定期健診は、ピルの服用による副作用や体調の変化をチェックするために重要です。