オンライン診療でピル処方は大丈夫?そのメリットとデメリットを解説

  • 2022-09-23
  • 2023-05-12
  • ピル

皆さんは、病院に行かないとピルを処方してもらえないと思っていませんか?実は自宅にいながらオンラインでピルを処方してもらうことが可能です。

「オンライン診療を受けたことがないし、どんなものかわからない。」

「ピルの受け取り方は?」

「デメリットもあるんじゃない?」

などさまざまな疑問や不安が浮かぶかもしれません。

 

今回はオンライン診療での、ピル処方に関するメリット・デメリットを解説します。

この記事で分かること

  • ピルのオンライン診療がニーズを集めている
  • オンライン診療によるピル処方のメリットが分かる
  • オンライン診療によるピル処方の不安がなくなる

オンライン診療によるピル処方とは

オンライン診療によるピル処方とは、病院へ出向くことなく、自宅でスマートフォンやタブレット、パソコンの映像や電話の音声を通して医師の診療を受け、ピルを処方してもらうことが可能なシステムです。

厚生労働省は「遠隔医療のうち、医師-患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察及び 診断を行い診断結果の伝達や処方等の診療行為を、リアルタイムにより行う行為」と定義しています。

厚生労働省-オンライン診療に関するホームページより引用

オンライン診療で購入可能なピルの種類

オンラインで購入できるものとしては、アフターピルと生理日移動のための中用量ピル、低用量ピルが主に取り扱われています。

アフターピルとしては以下のようなものが挙げられます。

  • ノルレボ
  • エラワン

生理日移動のための中用量ピルとしては以下のようなものが挙げられます。

  • プラノバール

低用量ピルの種類には以下のようなものが挙げられます。

  • ルナベルULD
  • ファボワール
  • フリウェルULD
  • トリキュラー
  • マーベロン
  • ラベルフィーユ
  • ヤーズ
  • ヤーズフレックス
  • アンジュ

オンライン診療におけるピル処方費用と流れ

費用については、実際の病院での処方の場合、約2,000円~2,500円(低用量ピル)です。

次にオンライン診療での費用の相場は以下の通りになります。

  • アフターピル:約5,000〜10,000円
  • 中用量ピル:約5,500円
  • 低用量ピル:約3,500円

「病院受診よりも高いな。」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

しかしオンライン診療では、病院まで行くための時間や交通費などのコストがかからないため、オンライン診療の方が価格を抑えられる可能性があります。

「費用については分かったけど、どういう流れで処方してもらえるの?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

またオンライン診療によるピル処方までの流れは、以下のようになります。(参考:六本木ウィメンズヘルスクリニックが運営するマイピルオンライン)

  1. ピルの選択
  2. WEB問診
  3. 音声通話もしくはビデオ通話での医師による診察
  4. 支払い後、発送されて自宅へ

このような流れで、自宅に居てもピルを処方してもらうことが可能となります。

オンライン診療でのピル処方ニーズについて

オンライン診療によるピル処方に対して一般的にどのような考えを持たれているのかについてご紹介します。

株式会社マイナビが運営するマイナビウーマンの調査によると、ピル服用者のうち87%の人が病院でピルを購入しており、自宅にいながら医師の診療が受けられる「オンライン診療」でピルを購入している人は13%だったと報告されています。

現状の普及率は低いものの、ピル服用経験のある人のうち約80%の人が「オンラインピル診療サービスに関心がある」と回答しています。

マイナビウーマンより引用

新型コロナウイルスの流行やインターネットの発達、オンライン決済の多様化もこのようなニーズの増加につながっていると考えられます。

オンライン診療によるピル処方のメリット・デメリットについて

基本的に日本でピルを購入する際は、必ず医師の診察を受ける必要があります。ピルをオンライン診療で処方してもらうことでのメリット・デメリットを解説します。

オンライン診療によるピル処方のメリット

オンライン診療によるピル処方のメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 感染リスクの低下
  • 簡単に予約が可能
  • 人目を気にしない
  • 時間の節約
  • リラックスして受診が可能

それぞれ解説していきます。

感染リスクの低下

オンライン診療は、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症に対する感染リスクを減らし、ピルの処方を受けることが可能です。

病院受診の場合、公共交通機関を利用する方は不特定多数の人が密集する電車やバスの手すりやつり革などに触れます。そのため、マスクをして会話をせずに無言で過ごしていても感染症への感染リスクが高まります。衛生環境が整っている医療機関であっても、疾患を抱えている多くの方が行き交う場所のため、院内感染や二次感染のリスクがあります。

オンライン診療の場合、自宅で完結し共用スペースの使用や不特定多数の人間が集まる場所に出向く必要がないため、外的な感染要因を0にできます。

よってオンライン診療は、病院へ行くことなく自宅で診療から処方までを完了できるため、感染リスクを減らすことに繫がります。

簡単に予約が可能

オンライン診療では予約状況の確認や問診票の記入から診察までインターネット上もしくはLINE・アプリなどで完結するクリニック・サービスが多いため簡単に予約が可能です。

病院受診の場合、診療時間によって予約を取ることできる時間帯が限られています。しかし、オンライン診療では24時間予約可能なクリニック・サービスが多いため、日中仕事をされている方でも通勤の合間や仕事終わりの空いた時間に予約が可能です。また、問診表の記入から予約を取るまでに3~5分程度で完了するため時間もかかりません。

よってオンライン診療ではスマートフォンやパソコンがあれば予約ができる点と時間がかからない点からも簡単に予約ができるメリットがあります。

人目を気にしない

人目を気にせずにピルを受け取ることができる点もオンライン診療のメリットと言えます。

日本では欧米諸国と比べて性教育が遅れており、ピルは医師の処方を受けなければ入手できないため、ピルに対して避妊用の薬というイメージが強いです。そのため、クリニックを受診しピルを処方してもらうことに対して周囲の目が気になるという方もいらっしゃると思います。

しかしオンライン診療であれば、診察からピルが届くまで自宅などの好きな場所で完結します。会話するのもオンライン上で医師のみのため、周りに見られるという心配がありません。

自宅にご家族と住んでいて家族にも気を遣わせたくないという方も、郵送場所をコンビニなどに変更することで自宅以外の場所でもピルを受け取ることが可能です。よって人目を気にすることなくピルの処方を受けることができると言えます。

時間の節約

オンライン診療であれば通院時間および診察や処方までの待ち時間を節約することができます。地方にお住まいで病院やクリニックが近くにない方や仕事や学業で日中時間を取れない方でも診察を受けやすいことが特徴です。

通院時間だけでなく通院費用の節約にも繫がり、金銭面でもメリットが得られます。対面診療のように待ち時間もないため、忙しい方でも隙間時間で診療を受けることが可能です。   

3ヶ月分や6ヶ月分などまとめて処方を受けることも可能であるため、薬をもらうために、毎回診察を受ける必要もありません。

以上のように通院時間や待ち時間に加えてピルの処方を受ける度に受診する必要性も減ることによって時間の節約につながります。

また支払い方法もクレジット払いや銀行振込、後払いなどに対応しているクリニック・サービスが多く、スマホで完結します。

よって自身の都合に合わせて支払い方法を選択することも可能です。

リラックスして受診が可能

オンライン診療は、オフラインと比べリラックスして受診することが可能です。オンライン診療の場合、自身の都合に合わせて診察を受けることが可能で、自宅などの好きな場所で受診ができます。どうしても病院やクリニックだと緊張してしまうような方でもストレスを感じず、リラックスして受診することができます。

また、受診するためのハードルが下がることで、継続的な治療につながります。

よって、病院やクリニックでの診療は緊張してしまう方にとっては大きなメリットと言えます。

オンライン診療によるピル処方のデメリット

オンライン診療のデメリットとして、以下のようなものが挙げられます。

  • スマホやパソコンに不慣れな方には使いづらい
  • すぐに検査できない
  • 保険適応外の可能性があること

それぞれ解説していきます。

スマホやパソコンに不慣れな方には使いづらい

オンライン診療は、音声通話やビデオ通話などを用いて診察を受けます。スマホやパソコンなどの情報通信機器を用いて実施されるため、使い慣れていない方は、画面設定や音声設定で苦労する可能性があります。

支払いはコンビニ払いやクレジットカード払いのため、カード情報の登録や薬の配送先の設定など慣れていないと操作の面で難しく感じる場合もあります。

また個人情報をインターネット上に登録することに抵抗がある方には、大きな壁となるでしょう。

スマホやパソコンが不慣れな方でも理解できるよう以下にオンライン診療を利用する際の具体的な流れをまとめます。

  1. 「オンライン診療 ピル」などのキーワードで検索
  2. オンライン診療のクリニック・サービスを選定
  3. 公式ページから申込フォーム(問診表)入力またはLINE追加で受付
  4. 受付の際に、希望の受診日を入力
  5. 受診当日にクリニック・サービスから電話もしくはビデオ通話
  6. 診察後にお会計
  7. お薬の配送

すぐに検査できない

オンライン診療では対応が難しい処置や検査などもあるため、対面での診察よりも医師が得られる情報が少なくなってしまいます。この点を念頭において診療を受けることが大切です。

音声通話やビデオ通話を用いた診療のため、検査や処置は行えません。少しでも気になる症状や不安がある場合は、詳細な情報を医師に伝えることを推奨します。

保険適応外の可能性がある

一般的に病院を受診した場合、保険適応となる症状でも、オンライン診療では自由診療によるピル処方となり、保険適応されない場合があります。

例を挙げると、低用量ピルの一種である経口避妊薬は、病院であっても保険適応外ですが、同じく低用量ピルである月経困難症などの治療薬については、病院を受診した場合、治療が目的となるため保険が適応されます。

オンライン診療でピル処方をしてもらう場合、保険適応となるのかについて事前に確認する必要があります。

注意点

オンライン診療を受けたとしても、症状によって超音波などの検査が必要となり、オンラインだけでは完結せず、来院を勧められる場合もあります。

画面越しでの診察となるため、医師ができるだけ現在の体の状態を把握できるように、症状を言葉で適切に伝え、情報を提供する必要があります。

よって、自身でも症状の頻度や月経周期の把握をしておく必要があります。

オンライン診療によるピル処方はこんな人におすすめ

ピルを処方してもらうためにオフラインもしくはオンラインを利用するかどうかで迷っている方もいらっしゃると思います。以下の項目に該当する方はオンライン診療をおすすめします。

忙しくて時間が取れない

メリットでも述べたように通院にかかる時間や待ち時間がかからないため「ピルをもらうために通院する時間がない。」と諦めていた方にとって、強い味方となります。

ピルを手軽に欲しい

「病院に行くのがめんどくさい。」「手軽だから。」といって、ネットなどで海外製のピルを個人で買うのはやめるべきです。国内未承認の場合、薬害リスクもあります。オンライン診療では、医師の診断に基づいた処方であり、法律上も認められたものを処方してもらうことが可能です。

産婦人科にいくのが不安

「これまで一度も産婦人科に行ったことがないから緊張してしまう。」「どんな雰囲気なのかわからないから不安だ。」という方には、自宅で完結するオンライン診療がおすすめです。

新型コロナウイルスの感染が怖い

新型コロナウイルスの流行により、人が多く集まるような病院やクリニックには行きたくないという方、感染リスクを少しでも下げたい方にとってもおすすめです。

オンライン診療によるピル処方を行なっているクリニック・サービスの選び方

「オンライン診療によるピル処方を受けたいけど、どこを受診したらいいかわからない。」という方は以下の内容を判断基準にして、クリニック・サービスを決めることを推奨します。

予約や問診は24時間対応かどうか

クリニック・サービスを選ぶ判断基準の一つとして、予約受付時間や診療時間が、24時間対応であるかどうかが挙げられます。選ぶものよって診療時間が夕方もしくは、21時までなど時間が限られているものもあります。そのため「時間がないから、今日中に診療を受けたい。」「なるべく早くピルを手に入れたい。」という方は、24時間いつでも予約や診療が可能なクリニックやサービスを選ぶことがポイントとなります。

すぐに予約をすることが可能で、待ち時間が少ないクリニック・サービスを選ぶことも重要です。

毎月の診察は必要か?

「仕事やプライベートで時間が取りにくい。」「毎月、診察を受けるのは面倒。」

という方は、クリニック・サービスの定期便サービスを利用することで6ヶ月もしくは12ヶ月に1回など、毎月の診察を受診する必要がない場合があります。そのため、毎月の診察が必要かどうかは、クリニック・サービスを選ぶ要素の一つとなります。

診察料や配送料がどれくらいかかるのか?

オンライン診療によるピル処方では、診察料以外に配送料の支払いが必要となります。

クリニック・サービスによっては、診察料が無料であるものや配送料がピルの料金に含まれている場合があります。そのため、ピルの価格だけでなく、診察料や配送料についてもご自分に合ったクリニック・サービスを選ぶ判断基準の一つとなります。

サポートが充実している

ピルの副作用として、吐き気やだるさなどが出る場合があります。副作用が出て辛い場合などに相談や質問が可能かどうかという点も判断材料の一つです。

誰に相談することが可能か(薬剤師・助産師・専門医など)、相談できる時間帯など、自分の生活に合ったサポートを得ることができるかという点も判断材料となります。

国内製のピルを多数扱っている

体質によってピルの種類を変更した方が良い場合もあるため、選択肢が多いと安心です。

ピルは、低用量ピルだけでも開発された順に第1世代から第4世代に分類され、複数あります。そのため、取り扱うピルの種類が豊富なクリニック・サービスを選ぶことも判断材料の一つと言えます。

ピルの定期便があるか

ピルは21日または28日間程度、続けて服用することで効果が発揮されます。

よって、オンライン診療でピル処方を受ける場合、3ヶ月や半年、長いものでは1年間の定期便や定期コースが準備されているクリニック・サービスもあります。このような定期便の場合、料金が割引になるキャンペーンもあるため、定期便の有無も判断の基準となります。

まとめ

いかがだったでしょうか。ピルを産婦人科に行って処方されることに抵抗がある方や忙しくて病院に行くのも難しい方には、オンライン診療によるピル処方の活用を推奨します。

オンライン診療は、時間的、経済的な側面からもメリットが多いため、活用してみてはいかがでしょうか。

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