ピルの種類にはどんなものがあるの?
ピルには以下の種類があります。各種類の効果や効能などをまとめています。
種類 | 使用目的 | エストロゲン含有量 | 効能 | 補足事項 |
---|---|---|---|---|
超低用量ピル | 避妊、PMSの症状緩和、月経困難症(PMS)治療 | 10μg以下 | 副作用が少なく、避妊効果が高い。エストロゲンによる副作用を抑えられる。 | 毎日1錠ずつ服用 |
低用量ピル | 避妊、PMSの症状緩和、月経困難症(PMS)治療 | 20~35μg | 副作用が少なく、避妊効果が高い。PMSの症状を和らげる効果もある。 | 毎日1錠ずつ服用 |
中用量ピル | 緊急避妊効果・月経の移動・月経不順、月経困難症の改善、子宮内膜症、月経過多の改善 | 50μg以上 | 避妊効果が高い。副作用が強くでることがある。 | 毎日1錠ずつ服用 |
アフターピル(緊急避妊薬) | 緊急避妊法(性交後72時間以内) | – | 性行為後72時間以内に服用することで、妊娠を防止する。ただし、100%の避妊効果はない。また、副作用が強くでることがある。 | 性行為後72時間以内に服用する |
エストロゲンとは?
エストロゲンは、女性ホルモンの一種で、卵巣や副腎皮質で作られます。エストロゲンは、女性の生殖器官や乳房の発育を促進するほか、骨密度を高めたり、血管を拡張させるなどの役割があります 。また、エストロゲンは、女性の月経周期にも関係しており、排卵や子宮内膜の成長を促進することで、妊娠に必要な状態を作り出します。
PMSの症状とは?
PMS(月経前症候群)は、生理前に女性が感じる不快な症状のことです。症状は人によって異なりますが、身体的なものと精神的なものがあります。身体的な症状には、下腹部痛、頭痛、腰痛、乳房の張りや痛み、脚のむくみ、体重増加などがあります。精神的な症状には、イライラ感、抑うつ感、不安感、判断力の低下、集中力の低下などがあります。重症化すると怒りや攻撃性が強くなることもあります。
超低用量ピルとは?どんな人が使えばいいの?
超低用量ピルは、主に生理痛や生理不順の改善、月経前症候群(PMS)の緩和、ニキビの改善などに効果があるとされています。
また、超低用量ピルには、低用量ピルよりもエストロゲン含有量が少ないため、低用量ピルよりも副作用が出にくいというメリットがあります。ただし、超低用量ピルにも副作用があり、不正出血、吐き気、むくみ、血栓症などが報告されています。
超低用量ピルは、生理痛や生理不順などの症状を改善したい方や、副作用が出やすい方におすすめです。ただし、服用前に医師と相談し、適切な使用方法を確認することをお勧めします。
低用量ピルとは?どんな人が使えばいいの?
低用量ピルは、正しく服用することで99%以上の避妊効果を発揮する薬です。他にも生理痛の改善やPMSの軽減など、女性にとってメリットの大きいはたらきが期待できます。
しかし、低用量ピルには少なからず頭痛や吐き気などの副作用や血栓症のリスクが伴う場合もあります。
低用量ピルを使用する人には、以下のような人が含まれます。
- 避妊を希望する人
- 生理痛がひどい人
- PMS(月経前症候群)の症状がある人
- 生理不順がある人
- 月経困難症の人
- にきびができやすい人
低用量ピルと超低用量ピルの違いは、主に含まれるホルモン量の違いです。低用量ピルは、エストロゲンとプロゲステロンの両方を含みますが、超低用量ピルは、より少ない量のエストロゲンを含みます。
超低用量ピルは、低用量ピルよりも副作用が少なく、血栓症のリスクが低いため、特に血栓症のリスクが高い人に推奨されます。 一方で、低用量ピルは、生理痛やPMSの症状を改善する効果があるため、これらの症状がある人に推奨されます。
中用量ピルとは?どんな人が使えばいいの?
中用量ピルは、低用量ピルよりもエストロゲンの配合量が多く、避妊効果が高いとされています。
ホルモンの配合量が多いということは、中用量ピルは薬を飲み忘れても低用量ピルよりも影響を少なくできるというメリットがあります。
また、生理痛やPMSの症状を改善する効果があるとされています。しかし、副作用として、低用量ピルよりも出血量が多くなることがあります。また、血栓症のリスクも高くなるため、血栓症のリスクが高い人には推奨されません。
中用量ピルは、生理の周期を調整するために使用されることがあります。中用量ピルを使用することで、生理の周期を遅らせることができます。また、中用量ピルは月経痛や生理不順の改善にも効果があるとされています。
中用量ピルのデメリットとしては、副作用があることが挙げられます。中用量ピルには、吐き気、頭痛、乳房の張りや痛みなどの副作用が起こる可能性があります。また、中用量ピルを使用する場合は、医師の指示に従って正しく使用する必要があります。
アフターピルとは?どんな人が使えばいいの?
アフターピルは、避妊に失敗した場合や望まない性行為をした場合に、妊娠を防ぐための方法として高い避妊効果があるとされています。
性行為後72時間以内に服用することで、妊娠を防ぐことができます。ただし、アフターピルは緊急避妊薬であり、長期的な避妊方法ではありません。また、アフターピルには副作用があるため、医師の指示に従って正しく使用する必要があります。
アフターピルのメリットは、避妊に失敗した場合や望まない性行為をした場合に、妊娠を防ぐための方法として高い避妊効果があることです。
また、性被害に遭ってしまった女性や、妊娠を希望しない女性など緊急を要する場合に活用できます。 一方、デメリットとしては、すべての緊急避妊薬に共通する事項になりますが、あくまでも緊急の避妊方法であり、長期的な避妊方法ではないことです。
アフターピルの避妊の仕組み
アフターピルにはエストロゲンは含まれていないのに、どうやって避妊をするのでしょうか。実はアフターピルには黄体ホルモンが含まれており、その仕組みで避妊効果が得られるのです。
アフターピルは、 性行為の72時間以内の服用で、80%〜95%ほどの避妊効果があるとされています。
排卵抑制や排卵を遅らせる作用があり、受精や受精卵の「着床」阻害の働きもあると考えられています。アフターピルには黄体ホルモンが含まれ、服用すると排卵を遅らり、子宮内膜の成熟を早めて着床に適さない状態にしたりすることで妊娠を阻止できるとされています。
ピル種類に応じた価格帯について
約1か月分の用量において、各種類の価格帯をまとめてみました。
種類 | 保険適用 (1セット分) | 保険非適用 (1セット分) |
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超低用量ピル | 600〜3,000円程度 | 2,000〜10,000円程度 |
低用量ピル | 600〜2,000円程度 | 2,000〜3,000円程度 |
中用量ピル | 1000円前後 | 3000円前後 |
アフターピル(緊急避妊薬) | -(保険適用外) | 13,000円程度 |
ピルには、保険適用のものと非適用のものがあります。
保険適用のピルは、病気や疾患の治療に際して医師の判断で処方される低用量ピルです。保険適用外のピルは10割負担になるため、高額になると考える人も多いですが、保険適用外の場合でも2,000円〜3,000円程度で、保険適用のピルと大きな差はありません。
保険を適用するためには、医師が処方する必要があります。保険証を持参し、医師に相談してみてください。
ピルの種類による効果や価格まとめ
いかがでしたか。
本記事では、ピルの種類による効果や価格についてまとめました。
・ピルの種類は、超低用量ピル、低用量ピル、中用量ピル、アフターピル。
・ピルはエストロゲンの含有量で効果・副作用が異なる。
・アフターピルは黄体ホルモンが着床を阻害することで避妊効果がある。
・ピルは保険適用と非適用があり、数千円程度。
使用目的をよく検討して、ご自身にあったピルを選んでください。その際、不安な方は医師と相談ください。